こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、小布施ワイナリーがつくる日本酒「ソガペール エフィス イリヤ ソントン」です。
さまざまな日本酒の飲みレポを取り揃える「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レビューや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■小布施ワイナリーがつくる日本酒
長野県の「小布施ワイナリー」が厳冬の時期に数週間だけ手掛ける日本酒「ソガペール エフィス」。
さまざまな酵母を使用。銘柄名には、1号酵母を使用した「UN」(アン)や2号酵母を使用した「DEUX」(ドゥー)、6号酵母を使用した「SIX」(シス)など、数字が冠されています。
今回冠された数字は、「IL Y A CENT ANS」(イリヤソントン)。その意味は「100年前」…。
この数字はなんだろう?と思ったら、ラベル裏を見て合点がいきました。
明けぬ夜は無し、上がらぬ雨は無し。
(ラベル裏より)
今から丁度100年前、人類はパンデミック(スペイン風邪)の中を乗り越え生き続けてきました。偶然にも100年前、日本酒製造技術も激動の時代真っ只中でありました。
様々な思いが交錯する「100年前」という名の酒。100年前には既に発見されていた1号酵母と2号酵母の混合発酵。もちろん(100年前の主流な仕込み法であった)生酛で仕込みます。男酒と女酒のナンセンスなアッサンブラージュはまさに官能的。現代を生きる我々はsake「IL Y A CENT ANS」から何を感じ、何を後生に残しうるのでしょうか。
強烈なメッセージですよね…。
いま世の中に暗い翳を落とすパンデミックに対して、決して負けないという宣言。
100年前にパンデミック(スペイン風邪)を乗り越えたように、今回も必ず乗り越える…。
そんな強い思いを込めて、100年前に発見されていた1号酵母と2号酵母を使用。
さらに100年前には主流な仕込み法だった生酛で仕込んだ日本酒です。
酒業界は大変厳しい状況にありますが、ぜったいに挫けない…。
めちゃくちゃ共感します。私たち飲兵衛も飲みまくって応援します!今日の夢中は、「ソガペール エフィス イリヤ ソントン」です。
■飲み口は
それでは、小布施ワイナリー決意の日本酒「ソガペール エフィス イリヤ ソントン」をいただきます。
コルク栓を開けて、グラスにトクトクと注ぐと、ひと口含みます。
口のなかに広がる清らかな酸味…。わずかに舌を揺らす微発泡感がフレッシュな風味を醸し出します。
なんとも透き通った飲み口です。雑味なし、純度100%の淡麗美酒。
ピュアな酸味が後味まで残るので、喉を通った後も爽快な余韻を楽しめます。
杯を重ねていくと、仄かにまろやかな甘みが加わってきます。
それは、やさしく甘美な味わい。飲み口がなめらかなので、とろりと喉に染みるよう…。
これは、確かに官能的…。不思議と気持ちが高まっていきます。
これならきっと、やっていける。明けぬ夜は無し、上がらぬ雨は無し。100年前と同じように、きっと今の難局も乗り越えられる…。
さあ、もう一杯。100年前から続く酵母と生酛造りで、夜が明けるまで飲み明かしましょう!
ありがとう、ソガペール エフィス イリヤ ソントン!ありがとう、小布施ワイナリー!
■基本情報
品名:ソガペール エフィス イリヤ ソントン
原材料名:米、米麹
精米歩合:59%
アルコール分:16度
長野県美山錦100%使用
製造者:小布施ワイナリー株式会社
長野県上高井郡小布施町押羽571