こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、山本「バタフライパープル」!"夏子の酒"のモデル「亀の尾」を使った紫ラベルの美酒です。
さまざまな日本酒の飲みレポを取り揃える「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レビューや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■山本バタフライパープル
世界遺産・白神山地のふもとに蔵を構える「山本酒造店」(秋田県八峰町)。
もちろん、仕込み水には白神山地の湧き水を使用しています。
今日は、そんな山本酒造店から届いた季節限定の日本酒をいただきます。
それがこちら、「山本 バタフライパープル 純米吟醸」です。
素敵な名前ですね…バタフライパープル。紫色の蝶…。
漫画「鬼滅の刃」ファンなら、鬼殺隊の蟲柱「胡蝶しのぶ」を思い浮かべるのではないでしょうか。
でも、名前の由来に、深い意味は無いみたい…(苦笑)。
「何となく亀の尾のイメージカラーが紫だったから」と、蔵元の山本さんがSNSで明かしています。
でも、この「山本 バタフライパープル」は、別の漫画にはちょっとゆかりがあります。
それは酒造りを題材とした漫画「夏子の酒」。1988年から91年に連載された作品です。TVドラマ化もされましたね…。
この漫画で幻の酒米とされた「龍錦」。そのモデルとなったのが、この「山本 バタフライパープル」で使用されている「亀の尾」なのです。
漫画で描かれていた通り、造りには細心の注意を払う必要がある米。稲の背丈が150cmと日本一稲丈が長く、栽培の難易度は日本一とも言われるのだとか。
ラベル裏には、蔵元から次のようなメッセージが刻まれていました。
山本 バタフライパープル
亀の尾は1893年(明治26年)に山形県の稲作農家で農法の研究に熱心だった阿部亀治さんが、冷害にもかかわらず稲穂を実らせている3本の稲を近隣の田んぼで見付け、それを譲り受けて3年掛けて抜穂選種し収量を増やした品種です。コシヒカリやササニシキの祖先である亀の尾は食味がとても良いので、現在弊社敷地内に建設中のクラフト日本酒醸造所 Labo & Cafe Yamamoto では土鍋で炊いた亀の尾のおにぎりを提供する予定です。
(ラベル裏より)
■飲み口は
それでは、幻の米「亀の尾」を使った、季節限定酒「山本 バタフライパープル」をいただきましょう。
鮮やかな青みがかった紫色のラベルを眺めながら、トクトクと杯に注ぎます。
金色の文字もカッコいいな…なんて思いながらグビリ…。
すると、口のなかに広がる、すっきりとした酸味…。
幻の米というには、なんともフレッシュで爽快な飲み口にちょっと驚きます。
これは、麹造りを徹底して追及する蔵元の技が成せる味わいなのかもしれません。
なんでも、亀の尾の特性を見極め、麹造りを工夫してアミノ酸を抑え、ジューシーでキレの良い仕上がりにしたのだとか。
とっても美しい味わいです。これは、夏子も喜ぶでしょう…。
杯がどんどん進んで、酔いが全身を包んでいきます。もしかして、これは胡蝶しのぶの「蟲の呼吸」にやられたのか…。
夢のなかで、夏子としのぶと晩酌できる「山本 バタフライパープル」。
これは漫画ファンならずとも、一杯やりたい日本酒です。すみません、今回はだいぶ、日本酒愛と漫画愛に酔いました…。
ありがとう、山本! ありがとう、バタフライパープル!
■基本情報
名称:山本 バタフライパープル
原材料名:米(国産)、米麹(国産米)亀の尾100%使用
精米歩合:55%
アルコール分:15度
製造者:山本酒造店
秋田県山本郡八峰町八森269