こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、「国稀」純米暑寒しずく!日本最北の酒蔵が醸す美しくも深い北海道の酒です。
さまざまな日本酒を楽しむ「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レポートや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■国稀
今日の日本酒は、北の国から…。日本最北の酒蔵から届いた銘酒です。
それが、北海道増毛町の国稀酒造の醸す「国稀」(くにまれ)純米、暑寒しずくです。
酒蔵としては日本最北、北緯44度にある国稀酒造は、明治15年(1882年)の創業。
はじめは呉服商を務めていた初代が、当時ほとんど本州産であった日本酒の醸造に乗り出し、北海道に蔵を開きました。
社名になっている代表銘柄の「國稀」は、当初は「國の誉」だったそうです。
それが「國稀」になったのは、日露戦争で有名な乃木希典元陸軍大将の名前にちなんでのもの。定番の商品名として登場したのが大正9年のことです。
北海道さらに日露戦争の時期というと、北海道を舞台にした漫画「ゴールデンカムイ」を彷彿しますね…。
同作の主人公・杉元佐一は元陸軍兵、日露戦争の激戦地・二百三高地を生き抜きました。実は、この地に増毛町出身の兵が多数いたのだとか…。
戦後、戦没者を弔う慰霊碑建造の発起人となった当蔵初代が乃木大将のもとを訪問。それが契機となって、代表銘柄の「國稀」が生まれました。
日本最北の酒にして、深い歴史ある酒…。いろんな思いの詰まった酒を今日はいただきましょう。今日の夢中は、北海道増毛町の国稀酒造の醸す「国稀」(くにまれ)純米、暑寒しずくです。
■飲み口は
それでは、そんな日本最北の酒蔵から届いた「国稀」純米、暑寒しずくをいただきましょう。
プシュッと開栓、トクトクと杯に注いで、ぐびりとひと口含みます。
すると、澄み渡る空のような、すっきりとした爽やかな飲み口が広がります。純度を極めたような飲み口です。
飲み進めていくと、ほんのりと独特なクセのある甘味と渋味が舌に残ります。
言葉で表現するのはとても難しいんだけど、基本は透き通った酸味、ただ後味として残るのがクセのある甘味と渋味なんですよね…。
これはぜひ飲んでもらいたい。一見飲みやすそうに見えて、実はちょっと複雑な味わいもある…。
これが、暑寒別連峰を源とする清らかで良質な水と当地のときに厳しい自然が生み出す、美しくも深い北海道の酒に違いありません。
これは、漫画「ゴールデンカムイ」で幾度も登場する酒宴シーンを思い出しました。きっと杉元もアシリパちゃんも満足するでしょう…。
すっきりと澄み通った飲み口に、ほんのり独特な甘味と渋味。北海道の料理と一緒に飲んでみたい、北海道の自然が生んだ美酒でした。
今日の夢中は、日本最北の酒蔵から届いた「国稀」純米、暑寒しずく。飲むほどにクセになる美しくも深い酒でした。
ありがとう、「国稀」純米、暑寒しずく! ありがとう、国稀酒造!
■基本情報
名称:国稀(くにまれ) 純米 暑寒しずく
アルコール分:15.5度
原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)
原料米:北海道産 吟風 100%
精米歩合:65%
製造者:国稀酒造株式会社
北海道増毛町稲葉町1丁目17番地