こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、「天美」純米吟醸生原酒!山口下関発、太陽が育んだ美酒です。
さまざまな日本酒を楽しむ「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レポートや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■天美
今日いただく日本酒は「天美」。
山口県下関市に蔵を構える長州酒造が醸す日本酒です。
この素敵な銘柄名ですが、太陽を表す「天照」と酒を意味する「美禄」から一文字ずつとって、「天美」としたそうです。
太陽が育む美酒…。実は、この長州酒造の親会社「長州産業」は太陽光発電システムを手掛ける会社です。
長州産業は、廃業の危機にあった下関の老舗酒蔵「児玉酒造」を継承。
明治から続く酒造り文化を土台に、近代設備を導入した新しい酒蔵を造ります(2019年12月)。
酒造りへの異業種参入…。長州酒造は、杜氏も外から招き入れて新たな酒造りに挑みました。
どうしたらより美味しいお酒をつくれるか、試行錯誤を重ねて新しい日本酒が生まれました。それが「天美」。伝統と最新技術の融合が生んだ新しい日本酒です。
■飲み口は
今日いただくのは、その「天美」の純米吟醸、生原酒です。
ラベル裏には、こんなメッセージが記載されていました。
山口県下関に湧き出る天然水を使い、この地で酒造りができる感謝の気持ちとありったけの愛を込め、今できる精一杯を醸したお酒です。
(ラベル裏より)
いつもそっと寄り添うような癒しの一杯をお届けしたいと思います。
素敵なメッセージですね。異業種から酒造りに飛び込み、日々励んできた蔵の皆さんの気持ちが伝わって来ます。
飲兵衛としても、蔵の皆さんへの感謝と愛情を込めて、「天美」をいただきたいと思います。
栓を開けた1日目、まず感じたのは、生酒ならではの微発泡感です。勢いあります。
ただ、それ以上にインパクトがあったのは、特に後味として残る苦み。杯を重ねるほどにキリリと引き締まるような渋みを味わえます。男前な酒です。
ただ、2日めに飲んだら、印象がガラリと変わりました。
フルーティな酸味と甘味。酸味は、柑橘系を思わせる爽やかな香り。甘みは、同じく果実系ですが、白ブドウのようなやわらかな甘みを味わえます。男前な酒が一転、女性的な酒に変わりました。
これは、二度楽しめる…。飲み口が変わるのは、私の保存状態のせい?
いや、生原酒が呼吸して、さらに活性を得たからじゃないかな…。これは、1日目、2日目と、杯が進みます。
残念ながら3日めに突入する前に飲み干してしまいましたが、キレがあって料理に合うから、両日ともすごく楽しめました。
あらためて、「明治から続く酒蔵と日本の伝統技術を守りたい」と酒造りに参入した蔵の皆さんにあつく感謝申し上げたいと思います。
ありがとう、天美! ありがとう、長州酒造の皆さん!
■基本情報
品名:天美 純米吟醸 生原酒
原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
精米歩合:60%
アルコール分:15度(原酒)
製造者:長州酒造株式会社
山口県下関市菊川町吉賀72