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館長のふゆきです。
今日の夢中は、新政「陽乃鳥」!進化する新政の貴醸酒…令和四酒造年度はさらに芳醇でやさしい甘みに…です。
さまざまな日本酒を楽しむ「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レポートや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■新政「陽乃鳥」
米どころ秋田に蔵を構える新政酒造。
地域を愛し地域に根差した、こだわりの酒造りを行う酒蔵です。
酒米は、秋田県で栽培された米のみを用いて醸造。
酒母には、天然の乳酸菌を活用する伝統製法「生酛」のみを採用しています。
酵母は、現存する清酒酵母のなかで最も古い「きょうかい6号」(六号酵母)のみを使用。同蔵はこの酵母の発祥藏です。
今日いただくのは、そんな新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」(ひのとり)です。
貴醸酒とは、仕込みの際に水の代わりに酒を使って仕込んだ酒。ラベル裏には、次のように記載されています。
本作品「陽乃鳥」は、仕込み水の一部を酒に代えて仕込んだ「貴醸酒」です。酒をもう一度発酵するために、濃厚甘口になるわけです。時折「甘すぎる」というお言葉をいただくのですが、これが「陽乃鳥」の真骨頂でございます。今後、もっと甘くする所存でございますので、なにとぞご理解の程よろしくお願い致します。さて、本年度も圧搾方式を「押し槽(おしぶね)」に変えるなど、惜しみなく手間暇を注いで醸造いたしました。本年度も、「陽乃鳥」をよろしくお願いいたします。
(ラベル裏より)
独特のとろみのある甘い日本酒になるのが特徴。食後のデザート酒としてもおススメです。
今日は、その「陽乃鳥」の令和四酒造年度が届きました。前酒造年度の陽乃鳥もいただきましたが、果たして「もっと甘く」なったのでしょうか…。早速いただきましょう。
■飲み口は
それでは、新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」令和四酒造年度をいただきます。
杯にトクトクと注いで、ぐびりとひと口…。
すると、なんとも濃厚な甘みが広がりました。言うならば、熟した果実のような甘みです。
さすがは、水の代りに酒で仕込んだ貴醸酒…。発酵が進んでとろり芳醇な甘さとなっています。
やっぱりデザート酒にいいよな…。でも、「陽乃鳥」は甘さだけではありません。
甘さのなかに、芯の通った酸味が立っています。
といっても、令和三酒造年度の「陽乃鳥」は黒酢のような強い酸味だったのですが、今回はそこまでではありません。
むしろ、酸味を幾分抑えることで、持ち味の甘味が引き立っている感じ。これも技だよなぁ…。
「もっと甘くする」と言っても、糖分を増すのではなく、周りの味とのバランスを整えることで、酒本来の甘さを際立たせるっていう…。
さすが、こだわりの酒造りを行う新政酒造。貴醸酒「陽乃鳥」がさらに進化しました。
今日の夢中は、新政酒造の貴醸酒「陽乃鳥」。令和四酒造年度は、濃厚にしてやさしい甘みを味わえる逸品となりました。
ありがとう、「陽乃鳥」! ありがとう、新政酒造!
■基本情報
名称:貴醸酒 陽乃鳥
特殊製法:貴醸酒
アルコール分:13度
原材料名:米(秋田県産)、米こうじ(秋田県産米)、日本酒(秋田県産米)
精米歩合:麹米55%、掛米60%
原料米名:秋田県産米100%使用
原料米収穫年度:2021年
醸造年度:令和四酒造年度(2022-2023)
使用酵母:きょうかい6号
発酵容器:木桶(42号)
杜氏名:植松誠人
製造者:新政酒造株式会社
秋田市大町六丁目2-35