こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、東の麓 「エイエイ一水」(盈盈一水)!蔵元の思い詰まった純米大吟醸スペックの普通酒です。
さまざまな日本酒を楽しむ「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レポートや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■エイエイ一水
今日の日本酒は、東北山形の南陽市に蔵を構える東の麓(あずまのふもと)酒造から。
明治29年(1896年)の創業以来、「飲む人の心を満たす酒」を造るという方針のもと、地元の米と水にこだわった吟醸造りを続けています。
そんな東の麓酒造から、酒造りに対する強い思いの伝わる特別な酒が届きました。
それが今日いただく日本酒、 「エイエイ一水」(盈盈一水)です。
何が特別かというと、この「エイエイ一水」、純米大吟醸規格で造られた普通酒なのです。
どういうことかというと、日本酒で「純米大吟醸」を称するには、酒造好適米の検査を受けた等級米を使用する必要があります。
ただ、この検査がなかなか厳しくて、品質が同等でも少しでも粒の小さな米は等外となってしまいます。
これはブランド酒米を確立しようとする山形県の方針で間違ったものではありません。でも、ちょっと勿体ないですよね…。
そんな米農家の思いを汲み取ってか、東の麓酒造は、等外となった山形県産酒造好適米を蔵に集めます。
そして、その等外米を50%まで磨いて純米大吟醸造りを施しました。純米大吟醸と名乗れないのは酒造好適米の等級検査を受けていないから。
いわば純米大吟醸規格のスーパー普通酒、それが、 「エイエイ一水」(盈盈一水)なのです。
■飲み口は
それでは早速、純米大吟醸スペックの普通酒、 「エイエイ一水」(盈盈一水)をいただきましょう。
ちなみに、「盈盈一水」とは、水が満ち溢れた一筋の川に隔てられている様を表した言葉。
織姫と彦星の七夕伝説の一節で、天の川で隔てられているために、見つめるだけで会話することができない切なさを表しています。
その言葉どおり、酒名「エイエイ一水」も、純米大吟醸を名乗れないもどかしさを表しています。
七夕伝説に思いを馳せながら、杯に「盈盈」(水が満ち溢れる様)と注いで、ぐびりとひと口ふくみます。
すると口のなかに広がる、芳醇な香りとしっかりとした旨み。さすがは、大吟醸用に開発された酒米の等外100%使用…米の旨みに妥協はありません。
さらに、まろやかで強めの甘みもやって来ます。これは、とろけるような甘さと言ったらいいのでしょうか。
純米大吟醸規格だから雑味なし。ストレートに酒の美味さを一滴一滴まで楽しむことができます。
旨くてコストパフォーマンスの高い日本酒を造りたい。蔵の一途な思いが詰まった酒。
その味にもどかしさは一切ありません。今日の日本酒は、純米大吟醸スペックの普通酒「エイエイ一水」(盈盈一水)でした。
ありがとう、東の麓酒造! ありがとう、エイエイ一水!
■基本情報
名称:東の麓 エイエイ一水 (盈盈一水)
原材料名:米(国産)、米こうじ(国産米)
精米歩合:50%
アルコール分:15度
製造者:東の麓酒造
山形県南陽市宮内2557