こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、天青「吟望」純米酒!湘南にただ一つ残る蔵元が挑む"地域に誇る酒造り"です。
さまざまな日本酒を楽しむ「夢中図書館 日本酒館」。飲み口レポートや銘柄情報など幅広く日本酒の魅力を伝えます。
■天青「吟望」純米酒
今日は、湘南の蔵元「熊澤酒造」から届いた日本酒…。
天青「吟望」(ぎんぼう)純米酒です。
湘南に酒蔵なんてあったのか…。そう思う人も多いでしょう。
ただ、こちらの熊澤酒造は地元はもちろん、全国にもファンが多い実力蔵なのです。
創業は明治5年。当時は他にも酒蔵があったそうですが、一つまた一つ廃業…。
そんななか熊澤酒造は150年、ひたすら日本酒を造り続けました。そして今、湘南に残されたただひとつの蔵元となっています。
熊澤酒造のホームページを見ると、次のような力強い言葉が記されています。
僕たちは、蔵元を単なる酒造メーカーだとは思っていません。地域の誇りとなる酒造りはもちろん、人々がそこに集い、酒を酌み交わし、何かを生み出す磁力を持った場所。
そう、地域文化の中心地でありたいと考えているのです。そこに蔵元があることで、人々の暮らしが豊かになり、独特の文化が生まれる。
(熊澤酒造HPより)
その文化は成熟し、100年、200年後にも受け継がれていくことを、僕たちは願っています。
その言葉通り、酒蔵にはレストランやショップが併設されていたり、地元野菜を売る露店が出店したりしています。
館長ふゆきも現地に足を運びましたが、沢山のひとで賑わっていて驚きました…。
日本酒で地域が賑わうっていいな…。熊澤酒造は、地域活性化の一つのモデルのように感じました。
それもこれも、大前提となる「地域の誇りとなる酒造り」に励んできたから。
今日は、同蔵のショップで購入してきた「天青 吟望 純米酒」をいただきます。
■飲み口は
そもそも、「天青」とはどんな意味なのでしょうか。ラベル裏に、この名前に込めた思いが記されていました。
「天青」とは、中国の五代後周の皇帝が理想の青磁の色を表現した「雨過天青雲破処」と言う言葉から取ったものです。その幻の青磁のような突き抜けるようなすずやかさと潤いに満ちた味わいを目指して参ります。
(ラベル裏より)
「幻の青磁のような突き抜けるようなすずやかさと潤いに満ちた味わい」…。
たまらず、杯に注ぐやいなや、グビリとひと口含みます。
すると、口のなかを吹き抜けるような華やかな香り…。爽やかな甘みが広がります。
なんてスッキリした味わいなのでしょう…。これが「突き抜けるようなすずやかさ」なのでしょうか。
それでいて、飲んだ後に舌に残るのは、麹由来のやわらかな旨み…。
これが、喉を通った後も口のなかに独特の余韻を残します。これが蔵元の目指す「潤い」の一つなのかもしれません。
それにしても飲みやすい…。これは日本酒が苦手なひとも飲めるんじゃないかしら。
もしかしたら、「地域の誇りとなる酒」を目指す蔵元がひたすら酒造りに励んでいたら、必然的にこの「天青」の味わいを生み出したのかもしれません。
ありがとう、天青! ありがとう、「吟望」純米酒!
■基本情報
名称:天青 吟望 純米酒
原材料名:米(国産)、米麹(国産米)
使用米:五百万石(100%)
精米歩合:60%
アルコール分:15度
使用酵母:協会701号
製造者:熊澤酒造株式会社
神奈川県茅ケ崎市香川7丁目10番7号