こんにちは。夢中図書館へようこそ!
館長のふゆきです。
今日の夢中は、静岡は由比の銘酒「正雪 無量寿 大吟醸」です。
■由比の蔵元
「正雪」の醸造元は、神沢川酒造場。
東海道五十三次16番目の宿場町として知られる、静岡県の由比にある蔵元です。
創業は100年前。
創業者が酒造りを始めるにあたって、水のいい場所を探し求めてたどり着いたのが今の蔵のある場所だそうです。
その仕込み水から名前を取って「神沢川(かんざわがわ)」という社名にしました。
■由井正雪
由比はまた、「正雪」という酒の由来にもなった、江戸時代前期の兵法家・由井正雪の生家がある町です。
由井正雪は、慶安の変(由井正雪の乱とも言われます)を起こした人物として知っている人もいるでしょうか。
大名取り潰しにより増加する一方の浪人を救済するために、幕府転覆を計画しましたが、未然に発覚し自刃しました。
時代に逆らっても正直に生きた反骨の英雄。地元で人気の偉人の名を冠しました。
その名に恥じないよう、杜氏や蔵人たちが、正直に、真剣に、伝統の技を受け継ぎ、思いを込めて酒造りに取り組んでいるのだそうです。
■飲み口は
それではいただきます。
きりりとした、シャープな飲み口です。清らかな切れ味を愉しんだ後に、渋みが舌に残ります。
そして、さすがは大吟醸、吟醸香が鼻に抜けます。
これが、由井小雪に由来する、気骨ある切れ味なのでしょうか。
たしかに鋭い。
ちなみに、「無量寿」とは、阿弥陀仏の異名で無限の生命を意味する、とても有りがたい言葉です。
縁起のいい酒として、贈答用にも用いられているみたいですね。
個人的に少し気になるのは、舌に残る苦み。
醸造アルコールのせいかもしれないのですが、独特の臭いが残ります。
シャープな飲み口が好きな人には逆にいいのかもしれませんが、個人的には、もっと米の甘みがあったほうが好きかも…。
とはいえ、この酒にはさらなる魅力があります。
それが、大吟醸にもかかわらず、四号瓶で1500円未満というコストパフォーマンス!
さすがは庶民の味方、由井正雪!?これは嬉しいでね。飲み過ぎ注意だけど…。
ありがとう、正雪!ごちそうさまでした!
■基本情報
精米歩合:酒母米、麹米35% 掛米 50% 国産米100%使用
アルコール分:16度以上 17度未満
原材料名:米、米麹、醸造アルコール
醸造元:株式会社神沢川酒造場 静岡県庵原郡由比町由比181